ゴルフレッスンを深読みする 三觜喜一プロ(3)
ゴルフは前を向いて横に打つスポーツ?
ゴルフレッスンコミック11月号から三觜喜一プロの新連載マンガが始まります。9月の頭にそのための取材を尾山台ゴルフ倶楽部で行ったのですが、全体を貫くテーマとしては「体が開いたらダメですよ」ということになりそうです。
「ゴルフは前を向いて横に打つスポーツ」とは三觜プロがたびたび口にする台詞ですが、アマチュアはそれを理解できず、ターゲットと正対して打ちたくなってしまうものなのです。その結果体が開き、ダフリやスライスなどいろんなエラーが出てしまう、というのが三觜プロの主張です。
三觜プロの説明はいつもながら非常にわかりやすく面白いマンガになりそうなのですが、このとき私は1つの質問をぶつけてみました。というのは、ゴルフ理論には回転イメージの打ち方も存在しますから、それを信じる読者に対してどういうメッセージを送ったらいいか、というものでした。
三觜プロはしばらく考えた後、「フリスビーを投げると考えてもらえばいいと思います」と切り出しました。フリスビーがなかったのでマンガ家の蛯名先生に、スタジオに合ったピラティス用の小さなわっかを投げてもらったのですが、ゴルフスイングでは体を開きながら打つ蛯名先生が、わっかを投げるとなると正面を向いたまま横に投げるのです。
「フリスビーを投げるときはいまのように体を開かないのが自然です。そのほうが遠くに飛ばせるし、コントロールが効くからです。逆に、もしターゲットと正対するように投げるとどうなるかというと、スピードが出ませんし、ターゲットにも飛ばしにくいんです」と三觜プロ。
体が開いてしまうとフリスビーは左に飛んでしまいやすいしスピードも出ない。
正面を向いたまま横に投げるとフリスビーは遠くに投げられるしコントロールも効く。
この説明で長年の疑問が少し解けたような気がした私です。アニカ・ソレンスタムのような体の向きを入れ替えながら腕を上下させて打つスイングも確かに存在するので、それを根本から否定してしまっていいのかどうかわからなかったからです。
私はこう理解しました。回転イメージでも球を打てるが、前傾角度をキープしながら体の前でクラブを走らせるスイングのほうが飛距離が出るし、高い精度を期待することができる、と。ちなみに自分自身は回転しないイメージのスイングに替えてずいぶん安定してきたので、前を向いて横に打つスイングで練習していこうと思います。
やはり「ゴルフは前を向いて横に打つスポーツ」みたいですね。