コバカズのゴルフトーナメントを深読みする(1)
ゴルフトーナメントにアイドルとBGMはあり?なし?
この夏、福岡にHKT48を見に行った。
といっても普段からアイドルを追っかけているわけではなく、芥屋ゴルフ倶楽部で行われた
『RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント』でHKT48のスペシャルステージが行われたからなのだ。
この大会は公式ホームページを見た時点でピン!と来たというか、紹介されているギャラリーサービスの充実ぶりには目を見張るものがあった。ギャラリーバスで会場入りすると生ビールは飲み放題だし、ギャラリープラザのグルメも食べ放題!
塚田農場のじとっこ炭火焼や博多華味鳥の水たき唐揚げなど、有名店の人気メニューがタダで食べられるという大盤振る舞い。それに加えて、ご当地アイドルHKT48が出演するとあってはもう行くしかないでしょ!ということで、大会3日目が行われる土曜日の朝、羽田から福岡に飛んだわけです。
会場入りしてみると、いつものトーナメントのとは明らかに違う雰囲気。BGMがまあまあの大音量で流れていて、スキー場のよう。その音は当然コースにも届いているのだが、選手たちはさほど気にならない様子。つねに音が流れていれば、逆に突発的な音や細かい音が気にならなくていいということのようだ。地鶏を焼く煙がモクモクと立ち込めて練習場の打席に到達するのも、ちょっとない光景。選手は気にするというよりも笑っちゃってる感じ。
そんな中、HKT48が登場したのは午後3時過ぎ。全選手がホールアウトした直後に18番ホールがステージと化したのだった。16人のメンバーが歌い踊りながらグリーンの周りをぐるぐる回り、と思えば集結して横並びになり、そこから新曲を披露。ノリのいい楽曲と目まぐるしく変化するフォーメーションにギャラリーは大興奮。メインスタンドにはゴルフトーナメントには縁のなさそうなアイドルオタクも混ざっていて、野太い声で推しメンにエールを送っている。コースはさながら野外コンサート会場と化したのだった。
この大会には他にも、選手がスタートホールをティーオフするときに自分で選んだ登場曲が流れるという新しい試みも行われた。ティーグラウンドでいきなりBGMが流れ、選手の名前がコールされる。すっと音がフェードアウトするとパシューン!とインパクトの音。これもなかなか新鮮だ。
ちなみに登場曲はどんな感じだったかというと、重永亜斗夢プロはお約束の『鉄腕アトム』、藤田寛之プロは地元福岡出身で高校の先輩でもある財津和夫の『サボテンの花』、選手会長の宮里優作プロは妹の藍プロの仲良しAIの『E.O』といったところ。面白いところでは沖野克文プロの『仁義なき戦い』か。
選曲を間違えるとギャラリーに失笑されることもあるのだが、優勝した池田勇太プロがチョイスした『西部警察パート1』はめちゃくちゃハマっていたし、片山晋呉プロの『ドラえもん』には笑わせてもらった。この登場曲という仕組み、なかなかいいのではないだろうか。
というように、なかなか攻めていた『RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント』。おそらく賛否両論あるだろうが、人気が低迷している男子ツアーの状況を打開するためのカンフル剤にはなり得ると思う。少なくとも私は、HKT48のステージがなかったら取材に出かけなかったし、興味を持つきっかけは無料グルメ食べ放題という企画だった。
いずれにせよいままでと同じことをやっていては何も変わらないわけだから、このように思い切ったトライをする試合が増えるのを願うばかりだ。